このほど誕生した麻生内閣では、中川昭一元農林水産大臣が財務大臣と金融担当特命大臣を兼務しています。金融庁と財務省、業界に有利な税制改正を要望する側とその受け入れを判断する側との間で、中川大臣がどのような舵取りをするかに関心が寄せられています。
金融庁から見ると、麻生太郎首相が自民党の幹事長だった今年8月に少額貯蓄非課税制度、いわゆるマル優の証券版の導入を提唱しました。それを受け、金融庁は財務省に対して来年度の税制改正要望として、小口投資家向けに上場株式等への投資に対する配当を毎年一定額非課税とする英国の個人貯蓄口座、「ISA制度」に似た非課税口座制度を設けることや、高齢者を対象とした配当金の非課税制度の導入を盛り込んでいます。
一方、財務省の立場とすれば、昨年末に政府・与党が合意した税制改正大綱で、所有する上場株式の配当への軽減税率10%を2008年末で廃止し、本則の20%に戻すと明記されていることを堅持しようとしています。また、租税法の専門家などからは、金融所得の一体課税が叫ばれていて、「課税の中立性の観点から軽減税率など設けて税制を複雑にすべきではない」といった指摘を受けています。
中川大臣はまさに板挟みとなっているわけですが、「私は麻生さんの限定的な証券マル優制度は検討に値すると思っている。もちろん財務省あるいは金融庁というひとつの分担があるから、その中でよく詰めて頂きたいと思う」として記者会見では早くも三方に気遣う場面が見られました。

